中国国際放送局日本語部アナウンサー 

     「王 小燕」さんからのお礼状

紫金草合唱団の皆様

   北京は紫金草の花が咲き乱れる季節となりました。その後、皆様にはお変わりありませんでしょうか。

   この春、111名の団員による紫金草合唱団の皆様と北京で再会できまして、本当に嬉しく思っています。真心をこめて、平和と友好をたたえてくださった皆さんの歌声は、私だけでなく、北京放送の同僚、私が来場を案内した知人たち、更に数多くの北京の市民と学生たちを感動させました。北京放送のラジオ番組を聞いてくださった日本人リスナーの方から、「涙が止まらなかった」と感想を記したお手紙をいただいております。ここで、北京放送のスタッフ一同を代表いたしまして、皆様に心から御礼と「辛苦了!」(お疲れ様でした)のご挨拶を申し上げます。

   私が取材の中で、一番深く印象に残った言葉は、金笛合唱団のある女性団員の話でした。「過去にも多くの日本の団体と共演し、『赤とんぼ』も一緒に歌いました。しかし、どれも今回ほど心を揺さぶりませんでした。何故なら、今までは歴史に触れてはいけない形で、友好をたたえていたからです。今回はそうではなく、ずばりと歴史を直視しているため、涙を流して聞くことができました。歴史を忘れないことこそ、友好をたたえる土台なのです」と。中国で、日本から逆に持ち帰られた「紫金草」は多くの人の心を捉えました。これは、その秘密を明かしてくれた言葉だと思います。

   今回111名の団員の皆様の中には、新旧の友人の方たちがいらっしゃり、元気はつらつな高齢者の方たち、魅力的な熟年層、高校卒業したばかりのみずみずしい青年代表と、年齢層も幅広いものでした。どの方もすばらしく輝いていて、真の中日友好交流の使者としての役目を果たすことができたと思います。

   紫金草の北京公演が終了してはや一ヶ月余り経ちますが、皆様が北京滞在中、毎日、感動のひと時を共に過ごさせていただいたことを、今も忘れることができません。私の知人のポプラの皆さんも同じ感想を抱いているようです。つい先日、ポプラの広報担当の劉さんにお会いして、藤後団長のお手紙を手渡ししました。ポプラの皆さんは紫金草物語を知るようになってから、北京のあちらこちらで紫金草をバックに記念写真を撮り、周りの方たちにこの花物語と紫金草合唱団のことを紹介しているようです。また、皆さんは5月6日に総括会を開き、交流会の感想や紫金草の皆様からいただいたプレゼントを分け合いました。

   公演を見に行った私の同僚のお父様(83歳)も、ある日、興奮冷めやらぬ声で、「局付近の丘に、紫花大根の花が一面に広がっているよ。綺麗な花だ」と電話かけてくださいました。また、同僚や知人たちの協力のお陰で、紫金草合唱団のことを『人民日報』、『中国青年報』、『中国日報』、『世界新聞報』、『人民中国』、『北京人民ラジオ』局などで紹介することができました。少しでも多くの中国人に、平和のため奮闘し続けている日本人の姿に触れもらうことができたことを、嬉しく思っております。

   紫金草の花はたいへん生命力の強い花です。不思議なことに、この花のストーリーが北京に伝わってから、紫金草は年々、確実に増え続けています。いえ、私がそう感じるのでしょうか。平和のために頑張り続けている紫金草合唱団の仲間も、きっとこれからも日本各地で増えていくに違いないと信じております。私、そして、私の所属している北京放送はこれからもこの花の美しさ、そして、この花の開花を日本で見守っている人たちのことを、もっと多くの人に知らせていきたいと思っております。また皆様とお会いできることを楽しみにしています。皆様のご健康と今後の一層のご活躍をお祈りいたします。

2004年5月

中国国際放送局日本語部
SW7.190 MW1044
http://www.cri.com.cn/

王 小燕                                 charset=EUC