紫金山の麓の二月蘭
要約
中国語版原著 陳正栄 日本語訳・要約 中野勝
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前書き 二月蘭はありふれた花であるが、色々別名があり、これについて書かれたものもある。諸葛菜については次のような文献がある。清代の呉其浚の“植物名実図考”,宋代の詩人李廌の“諸葛菜”、清代の南京の詩人陳作霖の詩“減字木蘭花・諸葛菜”、現代の作家季羨林の“二月蘭”、燕園の宗璞の散文“送春”、童話“花の話”などである。 紫金草について、筆者は東京北の丸公園の桜の下に咲いていた紫金草、南京で歌われた “紫金草物語”、大門高子と山口裕との出会い、軍医山口誠太郎の故事、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(以下、南京大虐殺祈念館、祈念館などと略称)の庭の塑像“紫金草の少女”を見聞きして、それらに強い関心を抱いた。本書はこれらの事実に関する報告である。今では多くの中国人が二月蘭を紫金草と呼び、その花を紫金花と呼んでいる。 |